4×4オフロードカテゴリーにはA/T(All Terrain)= オン・オフ対応のオールラウンド、M/T(Mud Terrain)= 4×4(オフロード)対応に大別されます。そこに新たな括りとして提案されたのがR/T(Rugged Terrain)です。
R/Tはラギッドテレインという。でこぼこのある、ごつごつした、起伏のある地形や路面に対する特化性能を持つこと。従って、M/TとA/Tの中間になる新しいジャンルとなる。この括りに製品投入を実現したのがトーヨー、「OPEN COUNTRY R/T」がそれ。2016年のことでした。
A/Tはオンロードでの快適性とオフロードの走りを両立する。一方M/Tはオフロード専用、岩や石、泥地などでも高い走破性を有しています。
そしてこの中間を謳うR/Tは主張こそオンロードとオフロードの両立を主張するも、A/Tのそれとは異なりM/T寄りの両立と受け止めます。オンロードでA/T並みの快適性には届かない、オフロードでM/T並みの走破性は有していない、となるのでは。
ただこれだと半端さが際立ち折角の両立性能がネガティブな印象としてしか響かない。そこで主張をこう展開する。M/TとA/Tの特長を兼ね備えオンロードでは耐摩耗性や走行安定性を実現、オフロードではトラクション性能(走破性)を両立、とするのがいいかな。
これにはトレッド面に双方のパターンを配列、両サイドのショルダーにはM/Tパターンを、センターにはA/Tパターンを採用し性能向上を図ります。
M/Tパターンは、溝容積を確保し排泥性を効率化、更には岩や石へヒットしても変形や破損し難い剛性強化を施します。また溝底へのダメージを緩和するストーンエジェクターも配置するなど、このあたりはM/T技術を踏襲します。
A/Tパターンは低燃費、オンロード性能、静粛性や乗り心地など快適性への貢献が期待されます。直進性も影響してくるかと。A/Tが持つオンロードの得意性をセンター配置で活かそう、とする狙いです。
当然ながら双方のパターンを組み合わせていることから最適化は必要でしょう。バランス性能を吟味、その結果新たな括りとしての両立が成立することになります。
ただ現状は普及拡大に繋がっていないのが正直なところです。トーヨーが「OPEN COUNTRY R/T」を2016年に投入してから、当サイトが既定するメジャーメーカーにおいては続く製品無し。
しかしアジアンタイヤはRADAR「RENEGADE R/T+」とMAXTREK「EXTREME R/T」が露出を果たしており、今後も続くメーカーがありそうな気配‥
それでも「OPEN COUNTRY R/T」は軽トラ用のサイズを設定することから、軽トラユーザーのカスタマイズに注目が集まっています。しかもM/Tに比較し安価な点も受け入れられる要因として挙げておきたい。
いずれにしてもSUV/4×4オフロードの車種人気は好調さ継続しており、街中走行メインであってもカスタマイズ需要としてR/Tへの注目は最適だと考えます。従って更なる投入拡大が望まれるところです。