日本の降雪量は世界的に見ても多い、しかし気温となるればそれほど低くはないのだという。このことが多彩な路面状況を発生させ、車にとっては滑りやすく厳しい走行環境になると言えそうです。
雪道は温度によって状況が変化します。一般には、濡れたアイスバーン(-6℃~0℃)、乾いたアイスバーン(-6℃以下)、シャーベット(0℃前後)、ウェット路面(0℃以上)、ドライ路面(0℃以上)など。
路面変化を気温からある程度判断することは、厳しい冬の道を安全・快適に走行する為にも重要かと。ここではその特徴や難儀さを確認します。
多彩な路面環境
アイスバーン
冬の路面状況はその時々や地域によっても異なりますが、もっとも厳しい走行環境となるのがアイス路かと。ガチガチ、テカテカ、ツルツルで摩擦係数が最小化、厄介な状態です。氷路、アイスバーン、氷盤路面などとも示されることがあります。
多くは降雪後に融けた雪が夕方からの気温低下によって凍る状態です。翌日の朝は一層厳しくなります。いつもは感じない何気ないアップダウンも、厳しさ×3くらいの体感になるのでは。
滑り対策は高性能スタッドレスに委ねるだけでは完全ではありません。スピードを最小レベルまで落とすこと。雪国でもアイス路の日には事故が多発します。
ミラーアイスバーン
車の停止・発進によってアイスバーンが鏡(ミラー)のように磨かれた路面状態がこれ。交通量が多い路線で、車が停止と発進を繰り返す交差点の手前付近で特に注意を。
ミラーアイスバーンは通常のアイスバーンと比較してもテカテカ、ツルツルの度合いが更にアップ、危険度はそれの×2くらいと言ってもいいかな。
ブラックアイスバーン
単に濡れたアスファルトのように見えますが、実は薄っすらと氷が張っている状態です。直前までその路面を判別し難く、ヒヤッとする危険な路面です。
気温が下がる夜間や朝方などは要注意。路面が黒く見えたらブラックアイスバーンの可能性が高いと思った方がいい。滑りだけならミラーバーンは一番危険度が高いのですが、判断し難いのが厄介です。
圧雪路
雪が踏み固められた、いわゆる一般的な雪道を指します。アイスバーンに比べスタッドレスの効きが一定レベルで感じることが出来るでしょう。但し、ドライ路面に比べれば格段に滑ること明らか、危険性が高いのは変わりません。
轍(わだち)
雪道をクルマが走行しタイヤの跡が凹凸として残る状態。雪道は多くのクルマが走行することで融雪され轍ができやすくなります。無理に轍を越えるのではなく、轍に沿って走行するればスムーズな場合もあります。
新雪状態
雪が降り積もったばかりで一面真っ白状態。道路と路肩の境界がわかり難く脱輪の可能背もあり危険な状態でもあります。またそれほどの積雪量じゃない場合でも安心出来ません。車の走行で雪が融けやすく意外と滑りやすい路面状況でもあります。
シャーベット
気温上昇で雪が溶け氷と水が入り混じったシャリシャリの状態。路面は一部でアスファルトが見えたりするので意外と安心感を抱かせます。しかし、水分を多く含んだシャーベット状の雪はこれまた結構滑りやすい特徴があります。
ウェット
冬のウェット路は単に濡れているばかりじゃないのが怖いところ。夏場同様に水に乗り滑るハイドロプレーニングに陥る危険性は同じ。実は遭遇するケースがとっても多い路面環境でもあります。
というのも、雪の降り始めはウェットになり、気温低下でシャーベット、そしてアイス路へと変化。そこから日中は積雪が融けてシャーベット、以後はヘビーなウェット状態に。
その他危険な路面
その他にも危険な場所はあります。例えば、橋やトンネルの出入口付近などの気温変化が激しいところ。橋は冷たい風が吹きつけ地熱の保温効果が少ないことで、一般路よりも更に凍結しやすいと言われます。
また、トンネルは内が乾燥路となっていても外は氷雪路、出入口付近の路面変化による危険性が高いのです。更に日陰も凍結しやすい危険路と言えます。