タイヤのトレッドパターンをデザインで分けると、機能性と見た目の両方を兼ね備えており、以下の3タイプに分けられます。
その前にトレッドパターンとは何か? 接地面のデザインであり、タイヤの性能に大きな影響を与えます。溝やブロックの形状、配置が異なることで、グリップ力、排水性、静粛性、燃費性能などが変わります。タイヤの模様や溝のデザインが、どんな性能を発揮するかに関係しているということです。
トレッドパターンは、タイヤの性能に大きな影響を与えるため、使用する環境や走行条件に合わせたパターン選びが重要です。
①左右対称パターン(Symmetric)
タイヤのトレッド面が左右対称で同じデザインになっているタイプです。見た目がシンプルで、内側(IN)と外側(OUT)、回転方向にも違いがないのが特徴です。装着がシンプルでローテーションの自由度が高い。乗り心地が良く、音も静かで燃費性能も良好です。
性能は控えめだけど扱いやすく、比較的価格が安めなのはメリットがあるかと。街乗りメイン、コスト重視、軽自動車・コンパクトカー向きと言えます。
半面、コーナリングやグリップ性能は非対称や方向性パターンに劣ります。高速走行やスポーツ走行は苦手かな。
②左右非対称パターン(Asymmetric)
内側(IN)と外側(OUT)でトレッドパターンが異なる構造のことです。見た目からして左右でパターンが違うので、一目で分かるタイプです。
なぜ内側(IN)と外側(OUT)で違うのか? それは内側と外側でタイヤに掛かる役割が違うからです。内側は細かくて溝が多いパターンとなり、雨の日でも安全に走れるように排水性を高めています。また静音性や乗り心地重視の設計が多いのも特徴かと。
一方、外側はブロックが大きく剛性が高い特性を備えています。コーナリングでしっかり踏ん張り安定性の維持を図ります。
ローテーションでは左右入れ替えも可能。但し内外はそのままである必要があります。サイドウォールに「INSIDE/OUTSIDE」の表記あり。絶対にこの向きを守って装着すること。逆につけると大幅な性能ダウンになります。
③方向性パターン(Directional)
タイヤのトレッドが特定の回転方向に合わせて設計されているパターンのこと。V字型や矢印型など、一方向に向かって溝が流れているデザインです。サイドに「ROTATION(回転方向)」の矢印が書いてあります。
V字の溝が水を両サイドにかき出す仕組みなので、高い排水性能を誇りしっかり路面にグリップし雨の日に強いとされています。直進安定性、高速走行に向いている。高速域でのブレが少なく、ピタッとした走りが可能かと。スポーティな走りを好む人に人気です。
ローテーションでは前後入れ替え可能。同じ側の前後なら回転方向変わらない。左右入れ替えは回転方向が逆になるのでNGです。
片減りしやすい車種(FF車など)ではローテーションが難しいため、方向性パターンは注意が必要です。最近は、方向性+非対称の「ハイブリッド」なトレッドパターンも登場しています!