ハイドロプレーニング現象とは?

 クルマが水の溜まった路面を高速で走行すると、タイヤが路面の水を排除できず水膜の上に乗ってしまいグリップを失ってしまいます。これがハイドロプレーニング現象です。こうなると、ハンドル操作、ブレーキが効かなくなりコントロール不能になります。

 通常、タイヤは路面と直接接触していることで摩擦が生まれ、ブレーキやハンドル操作が可能になります。表面の溝から路面の水を排水することで、雨の中でも走行出来ます。

 しかし、大雨などで路面に水が溜まっていると、しかもある程度以上のスピードになるとタイヤの排水性能を超える量の水が存在します。こうなると水をかき出せずに、タイヤと路面の間に水膜が出来タイヤが水の上を滑るような状態になり、摩擦力がほぼゼロに近くなります。結果として、ハンドル操作・ブレーキが効かなくなり、制御不能になってしまいます。

 ハイドロプレーニングは英語で「hydroplaning」、「hydro(水の)」+「planing(プレーン=平面になる)」となります。また、ラテン語で水を意味する「aqua」をつけて「アクアプレーニング現象(aquaplaning)」と呼ばれることもあります。

 ハイドロプレーニング現象が起こりやすいのは、轍や道路のくぼみなど路面に水が溜まりやすいところ。クルマのスピードが出やすい高速道路ほど発生しやすい。またすり減ったタイヤは水をかき出せないので可能性が高まります。

 タイヤの摩耗は重要な要因です。使用限度の溝が1.6mmに至っていないものであっても、雨天時の路面では速度が上がれば上がるほどハイドロプレーニング現象が起こりやすくなります。

 タイヤの摩耗状態、空気圧、路面の水溜まりの深さなど原因になります。溝の減ったタイヤを使わない、空気圧を高めに設定する、水溜まりのある路面では速度を控えめにするなど重要です。

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