オールシーズンタイヤの興味拡大は間違いないけれど‥

 近年の冬製品、そこに食い込んできたのがオールシーズンタイヤです。M+Sが刻印され、何よりもそれ以上の評価ポイントになるスノーフレークマークが刻印されています。これなら大きな意味で冬タイヤのひとつと言えるはず。

 しかしながら、国内ではその普及に対する市場の興味が不確定。製品展開が盛り上がっても需要に繋がるかどうかは別問題。果たしてどうなる‥

もし売れなければまた衰退ありかも‥

 オールシーズンに対して、2018年シーズンまでとは全く異なる状況が2019年シーズンから起きています。突然沸いて来た訳じゃない。カテゴリーを引き起こし牽引して来たのはグッドイヤー、この功績によるものです。

 「Vector 4Seasons Hybrid」は初期発売こそ2008年だけれど、2016年新たに日本の冬用タイヤの証であるSNOWマークが追加刻印され冬性能への信頼を強調。そして2022年シーズン、第3世代となる「VECTOR 4SEASONS GEN-3」に進化! 普及に努めて来ました。

 世界初のオールシーズンタイヤを発売したのもグッドイヤー、1977年に投入された「TIEMPO」がそう。ここからその歴史が始まります。しかし日本国内では冬の道路環境の違いなどから、欧米に比べ長いこと興味は上がりませんでした。

 この間にスタッドレスの進化が加速。耐摩耗性を訴え、雪がないドライ路でも長く使える特性を強調します。雪が降らなくとも路面温度の低下によって夏タイヤでは性能レベルがそれまでよりも低下します。しかし、スタッドレスならそれを補い、夏タイヤ以上の安心感をもたらします。この主張が近年は非降雪地域でも推奨されることに。

 でも1年に1回雪が降るかどうかでそれを購入するのはやはり迷い大きいかと。正直二の足を踏む人が多いでしょう。そこにオールシーズン、グッドイヤーと言ってもいい。主張を強化、1年中交換無しでとっさの雪に対応でき、しかも夏タイヤの性能も備えるという謳い文句は画期的!
 
 それまでの一律的な市場ニーズは変化し、他メーカーも可能性追求に乗り出します。追随はフォローとなりオールシーズンカテゴリーは隆盛を果たします。かつてが確か2メーカー2製品だったので大幅な成長を実現したことに。

 冬シーズンにスタッドレス以外の選択肢があることはユーザー視点からするとかなり魅力的。(飽くまでも非降雪地域へ向けたもの) 但し、普及へ繋がるかはまだ未知数です。

 そして国内メーカーの現状維持とは対照的に、グッドイヤー、ミシュラン、ピレリが活発化。新たな製品投入を実現し、しかも乗用車用とSUV用を備え車種特性に備えます。

 ただ最新での興味はダンロップ。「SYNCHRO WEATHER」が主張する次世代オールシーズンタイヤ、2016年発売のスタッドレス「WINTER MAXX 02」とに接近した冬性能を実現します。

 またアジアンタイヤにおいても、その動き非常に気になるところです。今後の拡大へ可能性を持ってのことは間違いない。ただラインアップ数はまだまだ不満。将来的な期待を寄せているということかと。

 ということで、国内と海外メーカーでは市場に対する捉え方に差異が見られます。果たしてどうなる、オールシーズンタイヤ!

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