ミニバンカテゴリーで存在感を示すのがヨコハマ「BluEarth RV-02」です。双璧とされるダンロップ「エナセーブ RV504」とは微妙な違いを示すも、発売が同じ2015年なので比較されるケースが多い。
しかし2019年「エナセーブ」は「RV505」へ進化。そして2022年、「RV-02」も「BluEarth-RV RV03」へ。果たして双璧としての存在に変化あり?
シリーズの変遷
ご存知ミニバンタイヤの先駆者は1995年に投入されトーヨーの「TRANPATH」シリーズです。対してヨコハマは遅れること数年、「DNA」シリーズとして投入されました。その前1998年シリーズ最初に登場したのが「DNA ES-01」と「DNA ES-02」、これはまだミニバン専用ではありません。
しかし、市場のミニバン人気が背景となり、低燃費、ウェットグリップ、ロングライフなどを併せ持つ「DNA map」シリーズをミニバン・1BOX専用として投入しました。2002年1月に「DNA map-RV」、2002年3月にはインチアップ・ドレスアップ用「DNA map-i」。
ここから「DNA」の展開が本格化します。2006年ナノテクノロジーを採用し、静粛性とロングライフを向上させた「DNA map ES340」を発売。2007年にはワンランク上のミニバン専用として「DNA GRAND map」が登場します。
「DNA map ES340」はコンフォートミニバンとしてミドルタイプのミニバンを対象としたのに対し、「DNA GRAND map」は大型のプレミアムを狙い極上の静粛性と快適性を強調します。
BluEarthの登場
2010年には 環境+人に優しい をコンセプトにした「BluEarth」シリーズが立ち上げられ、翌2011年に「BluEarth RV-01」がミニバン用として投入されることになりました。
「BluEarth」の使命はそれまでの「DNA」をベースにグローバルコンセプトとして世界的展開を果たすこと。よって「BluEarth RV-01」は「DNA」シリーズを踏襲し進化したミニバン専用タイヤです。そこで踏襲は「DNA map ES340」? それとも「DNA GRAND map」?
ヨコハマは来品のプレミアムミニバンである「DNA GRAND map」のパターンを継承しつつ、ふらつきを抑制する新プロファイルを開発したと伝えています。なら目指すのは大型のプレミアムでは。
ただサイズ設定からはミドルクラスも十分対応可能、結局フォロー範囲拡大を図った展開です。プレミアムの「DNA GRAND map」をメイン踏襲としながらも、コンフォートの「DNA map ES340」のターゲット層も受け入れると判断すべきでしょう。
RV-02へ進化
そして2015年に「BluEarth RV-02」へと正常進化しています。転がり抵抗係数「A」はそのままに、ウェットグリップ性能を「b」から最高グレーディングの「a」へ引き上げます。その結果、ウェット制動距離で12%、ウェット操縦安定性で4%の向上を訴えます。
2017年は、クロスオーバーSUV向けとなる新サイズ3つを追加。更には「BluEarth RV-02」をベースに、ハイト系コンパクトカーおよび軽カー向け専用を謳う「BluEarth RV-02CK」を投入しました。これによりプレミアムミニバンから軽カーハイト系まで幅広くカバーする展開を実現します。
最新はBluEarth-RV RV03!
2022年、日本およびアジアをメイン市場に従来品「BluEarth RV-02」から実に7年ぶりとなる新製品として、「BluEarth-RV RV03」「RV03CK」が登場。ラベリングのグレーディング「AA/a」を実現しワンランク上の上質さを追求します。