ダンロップの静音技術がサイレントコア(SILENT CORE) 。当初は特殊吸音スポンジと呼ばれたものです。低減するのは空洞共鳴音、耳慣れない言葉ですが不快とされるノイズの一種です。
空洞共鳴音の抑制が目指す性能
タイヤに起因するノイズには一般に3種類存在すると言われています。
荒れた路面などを走行した時、タイヤ~サスペンション~車体へと伝わるガー音や、ゴー音などがロードノイズ。
タイヤのパターンが原因となり、溝の中の空気が圧縮されて放出される時のヒュー音や、シャー音がパターンノイズ。
そして高速道路などの継ぎ目(凹凸)を通過した時に、タイヤ内部の空気が共鳴しパカンと響く音が空洞共鳴音です。
ロードノイズに対してはトレッド面ブロックの大きさ、内部の構造や素材の工夫によって低減化を図ります。またパターンノイズはパターン配列の工夫やシフトすることで低減化を図ります。空洞共鳴音に関しては、ダンロップが誇るサイレントコアによる効果が最も主張性を高めています。
当初は特殊吸音スポンジ搭載タイヤの名称でした。2006年「LE MANS LM703」に採用されたのが最初。路面の凹凸によるタイヤ内部の空気振動を抑制することで、従来の技術では解決することが難しかった空洞共鳴音の低減に成功したと強調されました。
2007年2月、スポンジの表面積を拡大し更なる静粛性能向上を果たしたのがプレミアムコンフォート「VEURO VE302」です。従来の「VEURO VE301」は2002年7月に発売されていましたがまだ採用には至りませんでした。
2011年2月にコンフォート「LE MANS4」を投入。特殊吸音スポンジを継承し新たな素材等の採用で「LE MANS LM703」に比較し、車内静粛性計測値13%低減を謳いました。
2013年2月に登場したのは、プレミアムコンフォート「VEURO VE302」の後継となる「VEURO VE303」です。特殊吸音スポンジは当然のこと、ロードノイズ、パターンノイズの低減をも狙い新開発の素材やパターンが採用され、従来品比較で更なる低減を図ります。
更に特殊吸音スポンジは2017年に投入されたコンフォート「LE MANS V」にも当然搭載。2016年からはサイレントコアと言い換えられ、新たな構造技術となるSHINOBIテクノロジーとの効果でより一層の向上を訴えます。
2020年3月に登場したのが「VEURO VE304」です。サイレントコアによる高い静粛性能を主張。プラス操縦安定性を実現し最上級レベルの性能を強調します。サイレントコアの更なる進化、ロードノイズ、パターンノイズの低減、そして乗り心地を加えた快適性の大幅な進化で期待は相当大きい。
最新は2023年投入の「LE MANS V+」です。「LE MANS V」の後継として、全体で振動を吸収するサイドウォール、パターンデザインを採用し、空洞共鳴音を低減する特殊吸音スポンジのサイレントコアも継続します。